銀塩 Today

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日本カメラ誌の11月号、銀塩Todayというコラムに掲載された記事を転載いたします。
暗室作業についての雑感今昔。

時間を決めて、効率よく暗室作業するために

 京都のワンルームマンションで一人暮らしをはじめて以来、奈良、大阪、東京と、数度の引っ越しを繰り返してきたが、狭い部屋の真ん中にはいつも暗室があった。物件を決める際、まず最初にイメージするのは引き伸ばし機の鎮座する場所だ。次いでバットを並べる机を配置し、水回りまでの動線を確保する。そしてわずかばかりの家財道具を運び入れ出来た空間は「部屋の中に暗室がある」というよりは「暗室の中に住んでいる」と言ったほうがふさわしい。もう二十年もの間、引き伸ばし機の台板上でメシを食らい酒を飲み、本を読んだり空想にふけたりしていることになる。夜通しの暗室作業、暗幕の隙間からわずかに漏れる薄明かりで朝の到来を感じたこともしばしばだった。
 しかしここ数年、この馴染んだ空間も本来の用途で使用する事は稀になった。徹夜で作業する事などもほとんどない。プリントクォリティーを最優先にするならば、時間を決めて効率よく作業したほうがよいという事を、長年に及び作り続けたボツプリントの山から学んだからだ。なので最近は講師を務める写真学校にある個室の暗室を借りて、規則正しく作業をしている。目下、次回展に向けてのプリントを制作中。

展示用の全紙プリントで使用するのは画面右のLUCKY 450M-D。暗室内には全紙のバットが6枚並ぶシンクがあり、現像から水洗、乾燥までが効率よく行える。壁面投影でのロールプリントにも対応している。

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