A photobook making process, part 9

印刷立会い:
父親が町工場を営んでいたことなどもあり、工場の飾りっ気無い雰囲気、油の匂いや機械が奏でる規則的な駆動音などが大好きだ。
印刷の立会いのため、埼玉の森林公園にある東京印書館さんの玉川工場に行ってきました。
写真集制作において一つ一つの工程がもちろん大切なのだが、それでもやはり印刷クォリティーは肝心要の部分だと考えている。
工場到着後、先に昼食をとって午後から作業開始だが、印刷機の準備が整うまでしばらくは控え室にて待機。大半の印刷工場には立会いのための控え室があり、そこにはその工場で印刷された写真集や画集などが並んでいる。待ち時間中、そこにある写真集を一冊一冊手に取って時間を過ごす。そのなかで特に気になったのが “Akio Nagasawa Publishing” から発売されている須田一政さんの「風姿花伝(完全版)」だ。6×6フォーマット、モノクロということもあり今回の写真集と条件は似ている。そしてこの写真集もプリンティングディレクターは髙栁昇氏だ。「このくらいのクォリティーで印刷されるといいなぁ。」などと考えながらページをめくる。それにしても現在の価格は54,000円かぁ!、とても買えない……。せめてそのクォリティーを目に焼き付けようと、手にとった写真集を凝視したまま、鑑賞に適した光源を探して控え室内をウロウロする。その時、営業部の鈴木さんから電話が入った。「1台目(4ページ分)上がりました、確認よろしくお願いします。」
いそいそと工場内に入ると、巨大なオフセット印刷機の排出口のチェックランプ下で、髙栁さんが得意げな表情で待ち構えていた。すぐにその仕上がりを確認する。驚愕!!。つい先程まで凝視していた「風姿花伝」となんら変わらぬハイクォリティー!。テスト印刷よりも墨濃度は数段上がり、それでいてディープシャドーのディティールは確保されている。その仕上がりと、自分の写真に対する愛着も相まって、本気で鳥肌が立った。興奮する僕の様子を眺めながら、髙栁さんがいつもの笑顔で得意げに尋ねる「どうですか?」
興奮冷めやらぬまま、間髪入れずに答える。「完璧です!」
校了のサインを入れて、印刷機が再び駆動音を奏でだしてからもずっと、心地よい空間でその仕上がりを眺めていた。

写真集発売と写真展開催は7月2日〜です。 “写々者(shashasha)” での先行予約も間もなく開始します!
初日には敬愛する写真家、百々俊二先生とのトークショーとオープニングパーティーも開催します。要チェック!→ ZEN FOTO GALLERY

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工場内でもとことんダンディーな髙栁さん

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今回の写真集のために一生懸命働いてくれる “B5号4色機”

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