ただ撮るだけ

今日新宿でアーティストだという青年と出会い、撮影させてもらった。
撮影後、彼との会話で
「空気みたいに写真撮りますね。」
とのコメントを頂いた。
これは喜んでいいのか、それとも反省するべきなのか。
そういえば同じような内容の手紙を被写体となった人から頂いたこともある。

たしかに人の写真を撮る時に過剰な演出もしないし、特別な技法も駆使しない。
いうなれば、黙ってただ撮るだけ。
被写体に指示をだす時もあるが、それは声をかけることにより変化してしまった表情や仕草を、できるだけ出会った時のものに戻す為の最小限の演出だ。

写真家の撮影時におけるスタイルの多様性でよく引き合いに出されるのが木村伊兵衛と土門拳。
いつの間にか撮り終えているという木村伊兵衛に対して、自分の納得のいくまで同じことを何度でもさせる「写真の鬼」と言われた土門拳。

類型でカテゴライズしても仕様がないので、自分がどちらかなんていえないが、
初めてその人を目撃した時の感動が印画紙に甦ればそれでいいと思っている。

そして被写体となってくれた人と、そのような会話を交わせるのを単純に嬉しく思う。

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