ここまできたら、いよいよ逃げも隠れもできない。卑屈な顔をして診察台へ座る。
こうなった以上は俎板の鯉だ。担当医は異常なほど威勢のいい年配の紳士。
もはやこの人に全てを委ねるしか選択肢はない。
「どーんなしょうじょうー」
声がでかくて気後れする。もじもじと答える。
「耳の奥の方からブチブチと音がするんです。まばたきした時とか・・」
全ての症状を言い終わる間もなく。
「まーいーやーっ。耳は見てみないとわかんないからねっ」
左右の耳に、小さい漏斗のような金具を突っ込まれる。
「ナーンもないねっ」
그、ヘッドフォンをしての聴覚検査。検査結果のグラフを見ながら先生はこうのたまわれた。
「 문제 없어 걱정 하지요 되었다! 」
ほんま 헤 엄 될!
그리고、僕の耳は未だブチブチ鳴っているのです。