突然、目の前で

撮影中、コマ劇広場で腰掛けて一服していると、突然オッサンが路上に駐輪しているママチャリを片手でヒョイっと持ち上げた。
最初は何台も停まっている自転車の中から自分の自転車を取り出しただけかと思ったが、(実際僕もそのようにする。とは言っても軽いロードレーサーだからできるのだが。)それにしては高々と掲げ過ぎだろう。
オッサンはそのまま自転車を頭上高くにまで持ち上げ、片手でサドルをがっちり握ると、今度はそのまま回転し始めた。
あっけにとられる僕や通行人をよそに、オッサンと自転車はグルグルグルグル回り続ける。
その様はかなり異様、まるでサーカスの曲芸のようだ。

しばらくすると目が回ってしまったのか、オッサンはフラフラしながらも、もとの場所に寸分違わずに自転車を戻し、何事もなかったかのようにその場を立ち去った。
その間ものの数十秒。辺りはすぐに日常を取り戻したが、僕はひとり開いた口がふさがらないでいる。

オッサンは一体何がやりたかったのか?
まるで狐にでも摘まれた気分ではあるが、人には自転車を持ち上げてグルグル回りたい瞬間だってあるのかもしれないな。

ちょうどこんな感じでありますが、僕は両手で持ち上げるだけ。

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