18 years later

18 years later

写真を始めたばかりの頃のこと。日本全国をめぐる撮影旅行のさなか、携帯していたラジオから北海道南西沖地震の一報を聞いた。取り乱して声を荒げるアナウンサー。小さなスピーカーから聞こえるその音声は、平穏な日常が崩れていくさまを想起させた。耳をそばだてて注意深くニュースを聞く。次第に沸き起こる幼い使命感は、やがて僕を奥尻島へと向かわせたのだった。
煤の匂いの立ち込める集落跡を瓦礫を踏み分けながら歩いた、あの時の体験は今も僕の記憶の奥深くに染み付いている。
それから五年後の1998年、奥尻島では完全復興宣言がなされたのだが、僕にとってのこの島は、今日までずっと「瓦礫の島」という印象だった。だがしかし、長い時間を掛けてでも必ず復興が成し遂げられるということをこの目で確認し、「瓦礫の島」の印象を今回の訪問で払拭したかったのだ。そして東日本大震災の被災地の、その未来の姿を想像したかったという思いもある。
天の災いは一瞬にして私たちから多くのものを奪い去ってゆく。しかし人々の営みは潰えることなく、変化しつつも次の世代に受け継がれてゆく。

写真展は既に終了いたしましたが、タムロンの60周年スペシャルサイト「Eternity at a Moment」のほうでは作品公開中です。※公開終了しました。
flickrにアップしてある18年前の奥尻島の写真と合わせて見ていただければと思います。

・flickr Okushiri 1993-1994

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