大阪での展示の際、ありがたいことに何点かの写真についてオリジナルプリントのオーダーを頂いた。
本日はその為のプリント作業を行う。

最近の作品はネガの状態もよいし、データも安定しているので、プリントはスムーズに行える。逆にやっかいなのが昔のネガ、特に写真集「西藏より肖像」の作品は、撮影時の露出もフィルム現像もかなり適当。故にプリント作業で苦労することになる。中でも一番大変なのが写真集の表紙にもなっているこのカット。夕方、逆光、雪山が背景と悪条件のオンパレード。基本露光が20秒程度なのに対し、焼き込み時間はトータルで1200秒超！焼き込みのツールを持つ腕がプルプルと震えてしまいます。

この十数年間での技術の向上も、このネガの前では歯が立たない。とにかく根気よく何枚も焼くしかない。
当然の如くミスプリントを連発。高価なゴミの山を築きながら、気付けば12時間を暗室で過ごしていました。