大久保恵写真展「深度+α」

2011.02.08(tue) – 02.13(sun)@Roonee 247 Photography

「深度+α」
三鷹 玉川上水
表面に見えているところだけがすべてではなく、まだその先に、奥底に何かあるような気がする。
身を乗り出し奥底に目を凝らす。
澄んだ時もあれば、暗く表面しか見えない時もある。
見え方はいつも違う。
視覚の問題か、ただ天気の作用するところなのかもしれない。
しかしその深さは、明度は、その変化は、川のせいだけではないように思えた。
この川は、心を映し出しているのか?
私を投影しているのか?
視覚は川に奪われ、思考は川にひっぱられ流され、ただいざなわれるように深く沈み込んで行く。

大久保恵 (Okubo Megumi)
1983年生まれ 熊本県出身

グループ展 
「08310901」Visual Arts Gallery Tokyo(2009)

三人目は大久保恵さん。
彼女の住む埼玉県川越市から撮影地となる三鷹市までは所用一時間半。吉祥寺に住み、日々この場所を見ている身の僕としては「もっと近い場所で撮影すればよいのに」と頭を過る事もありました。だけども決してそんな事はない。彼女にとっては、その移動時間も作品制作の一部だったのです。長い時間電車に揺られながら、これから出会える光景に思いを馳せる。そんな時間があったからこそ”場所”に”意味”が与えられたのでしょう。そしてそこに現われるのは概念を超えた観念の世界である。
端正なモノクロプリントをご高覧下さい。

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