新井悠史写真展「鼓動のクロッキー」
2019年1月15（火）〜1月20日（日）Open 12:00-19:00

私達が知覚している世界は、技術の飛躍的進歩により複雑化した。テクノロジーがコミュニケーションを拡張し、仮想空間によって色々な世界が感じられるようになった。しかし路上で写真を撮り歩く私は、現実の世界、鼓動のある場所が圧倒的に面白いと思っている。本来異質なさまざまな被写体が各々のエネルギーを放ち、画面の中で調和し相乗効果を生む。その多様性と、光景の中に輝く鼓動を描けるのは、現実世界で撮った写真ならではの表現だ。シャッタースピードだけの時間をもって、写真が出来うる視覚表現を瞬時に全て描き切ることを目指した。創造と想像をも凌駕する現実の魅力を味わって頂ければ幸いである。

profile
1992年 東京生まれ。
開成高校卒業、文化服装学院中退、東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。

グループ展
2016年東京ビジュアルアーツ写真学科卒業制作優秀作品展「原宿JOKER」

明日からTOTEM POLE PHOTO GALLERYでは、私が講師を務める写真学校のゼミの卒業生の個展を開催いたします。プロフィールにある通り、作者の新井くんは開成高校を卒業したのち文化服装学院に通い、その後写真学校に入学した変わり者。さらにいえば、一年次にはファッションフォトのゼミを受講していた彼が二年次に僕のゼミ編入してきたことが驚きでした。在学中は足しげく路上に通い写真を撮り続け、その成果として卒業制作では優秀な成績を収めました。卒業後もカメラマンの仕事をしながら作品制作を継続しています。まだまだ荒削りな部分はあると思いますが、今現在彼が考える「写真」と「路上」のリアルな関係を感じていただけましたら幸いです。
会期中、作者在廊して皆様のご来場をお待ちしております。若い写真家の成長のためにも、忌憚なき意見をお聞かせください。