“TIBET” making process, part 3

表紙デザインとテスト印刷:
前作「TOKYO CIRCULATION」に引き続きブックデザインは勝手知ったる伊野耕一氏。彼とは写真集以外にも何度も仕事を共にしているし、個人的にも親しいので意思疎通は精到したもの。打ち合わせ時に〈ふわっとした〉言葉で伝えた僕の意向をうまくデザインに落とし込んでくれた。基本的にはスタンダートな装丁の写真集が好きなのですが、今回の写真集は自身のファーストブック「西藏より肖像」の新装版ということもあり、オリジナル版との変化をつけたかった。伊野氏の提案は上製本のクロス装にシルクスクリーンでイメージを印刷するというもの。作品イメージとクロス色の組み合わせを数パターン提案してくれたので、その中から協議の末、以下の組み合わせに決定しました。
そして肝心要の本文の写真印刷。前作ではスミ濃度を極限まで上げて力強い印刷を目指したのだが今回は逆の方向性、ミディアムトーンを大切にしてFMスクリーンで繊細な印刷を目指します。それに伴い用紙も風合いのある手触りの良いものを選びました。初回のテスト印刷結果は大変満足いくもの。予想通りの方向性に仕上がっている。ここからさらに微調整を加え校正刷りの工程に進んで行きます。

有元伸也写真集「TIBET」は2019年4月5日発売予定です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です