Zhang Manhui Exhibition “The Roleless Role”

 心理学は「Roleless Role」という言葉を使っている。「全く自分の役柄が見つけられない人」という意味である。真実の自分を知るのは、多くの人にとって難しいことである。だから皆、止まらずに成長していく。よく「ありのままでいることが大事」と言うけど、中にはそうすることが難しい、受け入れられない人も沢山いる。
 昔から知っていた女の子たちと久々に再会し、私が全く知らないこの数年間の経歴を聞いた。これからの道は果てしなく長いけれど、彼女たちは自分の過去から救われ、真っ新に生まれ変わった。誰も知らない未来を抱きしめて、生きてゆく。思い上がって自惚れたり、むやみに卑下することなく、深く自分自身と向き合う。
 Try to know yourself, and then love yourself.
 自分自身を知って、そして、愛して。

張 曼惠 / チョウマンケイ

Profile / プロフィール
1995年 中国広東省深セン市生まれ
2013年 アメリカ、Ohio UniversityでFine Arts学び
2019年~現在 東京ビジュアルアーツ写真学科写真写真作家在籍中

Instagram: @asadaushio
Website: https://megumii.jp

明日よりTPPGでは私のゼミの学生の展示を二会期に分けて開催いたします。
・2月9日〜2月14日、張 曼惠写真展「The Roleless Role」
・2月23日〜2月28日、川口翼写真展「THE NEGATIVE ~ネ我より月面~」

まずは上記画像の「めぐみさん」こと張 曼惠さんの展示。今回、被写体となったのはめぐみさんの古くからの友人たち。それぞれが悩みや葛藤をを抱えながら生きている姿を捉えている。タイトルの「Roleless Role」(自分の役柄が見つけられない人)は、多くの人に思い当たることがあるのではないでしょうか。僕自身も写真と出会う前は自分が何をすべきかを考えて、それでもうまく見つけられなくて、悶々として部屋にこもった、いわば「蛹の時期」がありました。めぐみさんの写真に写る彼女たちはそれぞれが目標に向かって生きています。それでも成長の過程で壁にぶつかることも多々あるでしょう。そしてそれは作者であるめぐみさんにも同じことが言えます。何度も壁にぶつかりながらも、何度も乗り越え、やがて蛹から美しい蝶になって羽ばたいてゆく。そんな彼女たちの姿を想像しながら見ていただきたい作品です。会期中、作者在廊して皆様のご来場をお待ちしております。若い写真家の成長のためにも、忌憚なき意見をお聞かせください。また会場内では今作品を収録した手作りのZINEを販売しております。こちらも手にとってご覧ください。

今年卒業する学生たちは、新型コロナウィルスの影響で思うように撮影に出かけられなかったり、また授業の多くがオンラインになったりと、想像していた学生生活とは大きく違ったものになってしまったことでしょう。そして二年間の成果である卒業制作展も開催できず、発表は学校のホームページ上だけとなってしまいました。それでも学生たちは決して後ろ向きになることなく、可能なことを模索しながら制作に励んでくれました。そんな学生たちを誇りに思っています。数少ない成果発表となる今展示をご高覧いただけましたら嬉しく思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です