蛾さま

幼稚園の時の将来の夢は昆虫博士だった。
昨今も「ムシキング」なるものが流行っていたりするようで、虫の観察は昔も今も変わらない男の子的趣味なのだろう。
夏休みになると、近所の山を虫取り網片手にうろつき回ってばかりいる。そんな少年時代。
しかし、そんな僕も蛾だけは苦手だった。

どちらかと言えば弱虫な子供だったのだが、小学生時代に一度だけクラスの友人に殴り掛かってしまったことがある。
原因といえば、僕が蛾を苦手と知った彼が、捕まえた蛾を僕の目の前に放したからだった。
悲鳴をあげた後、我を忘れて彼に飛びかかってしまった。

それほど苦手だった蛾だが、苦手であるが故、強烈に意識しているわけでもあり。
時間とともにその意識は興味へと移りゆき、大人となった今では、本当に美しい生き物だとさえ思っている。

暖かくなったら「蛾さま」の写真を撮りに、山にでも出かけたいものだ。
ローライにプロクサーレンズ装着して。フイルムはカラーネガがいいな。

2 thoughts on “蛾さま

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    有本さんの写真を見て6×6を勉強しよう、と思ってから
    少したって、初めてコメントさせて頂きます。

    峨や虫の奇麗さからずいぶん離れてしまって、というのは
    小さい頃はクモも峨もシロアリも触れたんですが、
    ある日突然触れなくなってしまって、、

    でもカメラを手にした今の身としては、再び近づいてみようかな、と、、少しヤママユを見て思いました。

    でも有本さんは今、撮影中に飛び立たれたら、悲鳴あげちゃいませんか?僕は悶絶します。奇麗でも多分ダメです、、

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    sumimomuさま

    コメントありがとうございます。
    ガキの頃よく戯れた昆虫達も、東京都内では目にする機会も少なく、すっかり離れてしまいました。
    やはりこちらからアプローチしていかないと再会はかなわない。と、思う今日この頃。
    今ならヤママユさん掌にのせても平気かな?

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