“TIBET” making process, part 1

シークエンス組み:
昨年より開始した新刊写真集プロジェクトの進行が具体的になってきたので、その制作過程を備忘録と宣伝も兼ねてこちらにアップしてゆきます。
「新作」と言わずに「新刊」という言葉を使ったのは、単純に「新刊」ではあるが「新作」でないから。今回出版するのは僕の初の写真集である「西藏より肖像」の新装版、長らく絶版状態になっていた写真集を20年ぶりに再版することになった。ただし当時の「復刻版」ではなく、未発表・未収録の作品を多数追加して、編集や装丁を新たにしたもの。自分で言うのも気がひけるが、いわば「完全版」という感じ。ネガを今一度見直し、当時はページ数の都合で挿入できなかったカットを再プリント。ページ数も大幅増しています。それにあわせてタイトルもシンプルに「TIBET」にしました。
装丁周りはデザーナーである伊野氏に希望だけを伝えた上で任せっきりなので、僕はひたすらに写真集のシークエンス組みを行う。昨年後期は写真学校での講義が週四日になって学校にいる時間が多かったので、その空き時間などを使って、手札大に縮小コピーした写真を学内の此処彼処で並べまくる。そして並べた写真を凝視して、頭の中でページを捲るイメージを繰り返す。気になった箇所があると一旦見るのを止めて並びを熟考する。そんなことをしていると一時間ほどで脳みそがオーバーヒートするような感覚に陥ってしまう。その段階での並びをiPhoneのカメラで記録したのち回収、また別の時間に別の場所で再度展開する。それを何度も繰り返してるうちに徐々に見ていて気持ちのよいシークエンスが組み上がってゆく。

有元伸也写真集「TIBET」は2019年4月5日発売予定です。

前作「TOKYO CIRCULATION」の制作プロセス

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です