去年の冬頃に一度、いや二度三度、自分の写真に写るイメージがとどれも信じられなくなりました。暗い気持ちにもなりました。今冷静になって思い返すと、写真をやっている時間もまだ大して⻑いわけでもないのに何を言っているのだと感じますが、疑いを持っていたのは本当です。ある意味ビギナーズラックとでも言うのでしょうか。少なくともカメラが捉えた光の画よりも、その疑念の方がよっぽど確かでした。しかしある時、文字通り裏を返すと、ああ、この「ネガティブ」も、本当だったのかと、感じたのです。
川口翼
Profile / プロフィール
1999年 静岡県出身
2018年 上京
2019年 専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科入学
2021年 同校卒業予定Website: https://kawaguchitsubasa.com
先々週に開催しためぐみさんの展示に続き、明日からTPPGでは私のゼミの学生の川口翼くんの展覧会を開催いたします。
TPPGのホームページやプレスリリースの展覧会紹介ビジュアルをご覧になって驚かれた方もいるかと思いますが、作者は決してふざけているわけでもなく、斜に構えているわけでもなく至って真面目。彼なりに「写真」について考えて、たどり着いたのがあの画像でした。本人のビジュアルも一風変わったところがありますが、私が今まで関わった多くの学生たちの中においても極めて真剣に授業と制作に取り組んでくれた人であります。ちなみに上の画像は彼が在学中に制作した手製本の冊子が22冊入ったアタッシュケースです。壁面の写真とあわせてご高覧ください。
※今回の展示は特殊な照明を使用しているため、エントランスを黒布で覆っております。外からは様子が伺えませんが、恐れずにご入場いただければと思います。
https://tppg.jp/the-negative/