「西藏より肖像(1997)ヴィンテージ・プリント展」終了しました。

「西藏より肖像(1997)ヴィンテージ・プリント展」 / “Portrait of TIBET(1997)Vintage prints exhibition” は日曜日をもって終了いたしました。ご来場いただきましたみなさま、差し入れしてくださったみなさま、写真集やオリジナルプリントをお買い上げくださったみなさま、まことにありがとうございます。
今回の展示会期、本来は私のゼミの学生の個展を予定していたのでした。とても頑張って作品制作していた学生で、展示にも期待していたのだが、その彼が去年の12月に家庭の事情で急遽帰国することになってしまった。どうにか締め切り前に卒業制作は提出したのだが、展覧会開催は難しと言う判断になり、彼が予定していた会期に僕が展覧会を開催するという運びとなったのです(後日談ですが、彼の作品は5人の審査員による卒業制作の審査会で学年首席になりました)。プレスリリースの締切のギリギリまで彼の展示をする方向で考えていたので、その判断を下したのが12月28日。実に展示初日まで二ヶ月弱というタイトなスケジューリングとなってしまった。展示内容を考えた時、とっさに頭に浮かんだのが去年の年末の大掃除の時に整理していた床下のストレージにあるチベットの作品。それから2〜3日で展示構成とプレスリリースの文言を考え、DMのデザインから入稿までを一気に済ませた。そして、どうせやるなら盛り上げたいという想いで、会期中のスライドトークイベントも企画したというわけです。
とまあ、いろいろ突貫で至らないところも多々あったのだが、この柔軟さも小さなギャラリーの良いところ。一週間の短い開催なので会期中は全日在廊したのだが、来場者の反応も良かったと思う。昔の写真を展示するのは後ろ向きな気がして、開催するのに若干の抵抗があったのも事実だが、僕も50歳になり、25年前の作品を以前より客観的に見れるようになった気がする。また今回は若い世代のお客さんが多く、「私が生まれる前の作品ですね」というやりとりが多々あった。改めて「オッサンになったなぁ」という実感とともに、若い人との写真についての会話に新鮮な発見もありました。
また自分の若い時分の作品を展示するのに合わせて、トークイベントの内容も「二十歳の頃、僕は写真家になりたかった」という恥ずかしいタイトルにした。その為に写真学生時代のスナップ写真や、チベット撮影旅行時の手帳などをスキャニングしながら見直したのだが、まるで25歳の自分と対面するような不思議で貴重な体験をすることができた。準備段階から開催までを通じて、「写真の力」を改めて実感する、自分にとって実りある展示となりました。

スライドトークイベントの方も満員御礼、参加いただきましたみなさまに感謝いたします。

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