Good-Bye “Green Peas”

新宿に電車で撮影に行くときは、ルーティンとして東南口改札を通って駅から街に出る。そして甲州街道の高架上から新宿の街を見下ろして一枚シャッターを切る。撮影のリズムというか、シャッター音を聞くことでその日の気分を盛り上げている感じ。今日も一日よい出会いがあるようにと。そしてその時のレンズの向こう側には、いつも特徴的な緑色の外壁のビルがあった。
そのパチンコ店「Green Peas」が2022年1月31日を以って33年の歴史に幕を閉じた。僕自身はギャンブルの類は一切やらないので、そのこと対して特に感慨もないのだが、このビルはある意味新宿のシンボリックな存在であり、長年に渡り様々なフォトグラファーが被写体の一部として作品に収めてきた経緯がある。また新宿の街の一角を見下ろせるこの場所では、上京したばかりであろう若者たちが笑顔で自撮りをしている光景を度々目にしてきた。僕の写真はほとんどがモノクロなので、緑色の外壁のこのビルをそこまで意識はしていなかったのだが、改めて写真を見返してみると、様々なシーンにこのビルが写り込んでいることに気付く。長きに渡り、拙作の背景としての活躍に感謝いたします。さよなら「Green Peas」


「Green Peas」のある風景

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