“Tokyo Strut” Making Process, Part 6

印刷立会:
前の投稿でも書きましたが、基本的に写真家は自分の写真集の印刷にしか立ち会わないので、実際の印刷現場に立ち会える機会はそう何度もあるわけでない。ベテラン作家さんなどには現場に立ち会わない人も多いようだが、僕にとっては貴重な機会なので、毎回必ず立ち会うようにしている。「TIBET」の印刷の時は二泊三日で大阪まで行ったし、「Tokyo Debugger」の印刷時は飛行機に乗ってはるばる北海道まで出向いた。今回の印刷は「Tokyo Circulation」と同じ東京印書館なのだが、今年に本社と工場が移転したので以前とは違う工場での立会だ。前の玉川工場近くの「手打ちうどん 大井戸」で昼食が摂れないのは残念だが、新しい朝霞工場は武蔵野市の自宅からそう遠くないので便利である。
高栁氏のプリンティングディレクションは完璧で、ほとんど直す箇所もなく、印刷は極めてスムーズに進行したのでした。この工程が完了すると製本作業を経ていよいよ完成だ。

表紙のブルーとタイトル文字のオレンジは特色を使用しています。写真面はスミ二色での印刷。

今回使用するオフセット印刷機はMITSUBISHI製のUVインク五色機。

その所作も、お仕事中の後ろ姿さえも美しいP.D高栁氏。

コレはPS版。この薄いアルミニウム板が版となって、写真の微妙なグラデーションが印刷されるのが未だに不思議です。

コレは「色玉」。四角形だけど色玉。スミ二色と特色のシルバーインクも使用しています。

東京印書館社内に新たに創設された「P.D部」の高橋さん。寡黙だけど、良い仕事ををしてくれます。

刷り上がりを控え室に持ち帰り再確認と鑑賞会します。今回の写真集は12面付け。

この光がUVインクを硬化させるための紫外線光、歯科治療などで紫外線によってレジンが固まるのは知識としてはわかっているのだけど、やっぱり不思議だ。UVインクは乾燥が早く、ドライダウンも発生しないため、仕上がりの確認がしやすいです。

チーム「Tokyo Strut」。P.D高栁氏、編集・進行ボニーさん、デザイン柿沼さん。ありがとうございます!

有元伸也新作写真集「Tokyo Strut」は ZEN FOTO GALLERY より6月21日発売予定です。

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