Taipei Art Book Fair 2024_6

Photographer Wong Hongyu:
「ストリートフォトは足腰で撮れ!」これは私の持論ですが、やはり多くの出会いを求めるためには広範囲に沢山歩くことも必要だし、よりよい構図を決定するためにはカメラ位置が重要だと思う。

先日、写真学校の課題で一年生の学生たちに4×5インチカメラでの撮影をしてもらったのだが、その作品を見るとカメラ位置も構図も単調で、学生間での変化が乏しかった。ほとんどの学生がアイレベルにカメラをセットして水平に構え、縦位置で全身入るような構図で撮影していた。それはそれで基本なのだが、みんながみんなそのような構図になると見ている方は飽きてくる。まぁ、初めて大判カメラで撮影する学生がほとんどだし、致し方ないとは思うが、講師としても今後の指導方法を再考する必要があるなと…

ところで今回の台北の旅では、ゼミ生の王くん(Wong Hongyu)と行動を共にすることが多かった。宿も同部屋だったし、二人とも喫煙者ということもあり、行動パターンが似てくる。ブックフェアは13時からの開始だったので、午前中は朝食がてら二人で街を散策し、道すがら撮影していた。王くんはフィルムカメラを使用していたし、初めての台北訪問ということもあり撮影にも気合が入る。一方、僕はデジカメでの記録写真がメインだったので、一歩下がって彼の撮影する姿を眺めていた。そこで感心したのが彼の足腰の動きだった。例えば前後左右の動きなら的確な位置に移動するだけでよいのだが、より正確なカメラ位置を決定するためには上下の動きも必要になってくる。そこで肝心なのが膝の動きだ。彼はどっしり腰を落としてカメラを安定させ、微妙な膝の上下動でカメラ位置を調整して撮影している。そんな彼の後姿に、ストリートフォトグラファーの真髄を見た思いだ。

帰国当日、Uberで依頼したタクシーの運転手が王くんと似たような和彫りの持ち主だった。車中、刺青トークで意気投合。

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