“Tokyo Strut” Making Process, Part 4

テスト色校正:
入稿から10日程経ってテスト色校正があがってきた。出版元であるZEN FOTO GALLERYに伺って仕上がりを確認する。ギャラリー内では他の作家さんの展覧会を開催中、お世辞にも広いスペースとは言えないのでエントランスのビル共有部分で青空校正会議。生涯のうちに何冊の写真集を作れるかはわからないが、はっきりいって印刷の知識や経験はデザイナーやP.D(プリンティング・ディレクター)に一生追いつかない。踏んでいる場数が桁違いだからだ。基本、写真家は自分の写真集の印刷にしか関わらないわけだし、僕自身も例に漏れず印刷の知識は本職に比べると赤子も同然だ。例えば暗室作業なら「露光時間を10%マイナス」とか、「コントラストを1/2段アップ」とか明確に指示ができるのだが、オフセット印刷ではその指示では伝わらない。なので、デザイナーにこちらの意図や印象を、抽象的な言葉も含んで伝えるしかない。特に銀面の印刷部分は、暗室やインクジェットプリントでは再現不可能なので、見本プリントすら渡していない。朱入れ(印刷指示)作業はデザイナーの感性と言語能力に頼るところが大きいわけだ。

デザイナーの柿沼さんと編集のボニーさんはいつもだいたい黒いです。

今回の写真集では本文中にシルバーインクを使用した頁を挿入しています。

有元伸也新作写真集「Tokyo Strut」は ZEN FOTO GALLERY より6月21日発売予定です。

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