PhotoONE 2025_3

PhotoONE 2025; Portfolio Review:
PhotoONE に参加している人々で、一番熱気があるのはこのポートフォリオレビューの参加者だと思う。単に作品のレベルアップのためにコメントを求めに来る人。また、海外の美術館での展示や写真集出版を目論む人。その中の多くの人がグランプリや各賞を目指している。写真のレベルや目的は様々だが、それぞれが熱い想いを持ってレビューに望んでいる。そしてその想いを受け止めるレビュワー達ももちろん真剣だし、それらの想いが交錯して緊張感あふれる場を作り出していた。

総勢56名のレビュー参加者に向けて、開始前に熱いスピーチをする沈さん。中国語なので話の内容はわからなかったが、声の抑揚や身振り手振りから、若い表現者たちを鼓舞する様子が伝わってくる。

Photo Fair, Photo Bokk Fairの会場と通路を挟んだ会場。天井が高く荘厳な雰囲気が漂う。いちおう私もゲストレビュワーという形で、二日間にわたるレビューの内の初日の午前中だけ参加しました。

レビュー中の武蔵野美術大学教授の菅沼比呂志氏。ほとんどの参加者は台湾人なので、菅沼さんはじめ日本人のレビューを受ける人は、それぞれ自分で通訳者を手配しています。(日本語話者もいますが)有元は四人のみのレビューだったのですが、菅沼さんは二日間にわたり17名もの若い作家のレビューをして、その熱気を受け止めていました。これは疲れる…

東京工芸大学教授の小林紀晴さんのレビューを受けるフランス出身で現在台北在住のHubert Kilian(余白)さん。彼は私のレビューも受けてくれましたが、作品のレベルは高かったです。彼は中国語話者でもあるので、日本語への通訳はTPPGメンバーの水島くんが努めていました。

レビュワーの中から各国の代表が審査員として各賞とグランプリを決定します。長時間にわたる協議の上、グランプリ(Best Portfolio Review Award)は香港出身で台北在住の黄弘川氏に決定しました。彼は現在、國家攝影文化中心(National Center of Photography and Images)で開催されている展覧会「諸神與眾生:眾生 / entient Beings: Gods and All Sentient Beings」にも参加している実力者です。この展示、私も台北滞在最終日のフライト前に拝見してきました。

グランプリには賞金の2,000 USDと、副賞のEPSONプリンターが授与されます。(今調べましたが、彼は2023年に大阪のgallery 176でも展示していますね)

その他の各賞の受賞者と審査員の面々。

授賞式後は全参加者のポートフォリオをテーブルに並べて、一同に閲覧することができます。

ライバルたちのポートフォリに興味津々。皆が真剣に作品を閲覧します。

この場においても最後までレビュワーに食らいついて作品プレゼンテーションを行ったり、コメントを拝聴したりしていました。こちらは審査員特別賞を受賞した李岳凌氏。彼も赤々舎から写真集出版歴のある実力者ですね。全体的にハイレベル。

TPPGからポートフォリオレビューに参加していた水島貴大と宛超凡は惜しくも受賞ならず。二人とも海外の美術館学芸員やギャラリストと繋がることが目的で、受賞には興味がないと言っていましたが、審査結果発表後にはとても悔しがっていました。人間らしくて良いと思います。

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